茶の湯日記

《買取作家》奥村吉兵衛・千家十職表具師

奥村吉兵衛(おくむらきちべえ)-千家十職奥村家-

 

奥村吉兵衛(おくむらきちべえ)家は、近江国(現:滋賀県)の地侍奥村吉右衛門を祖とする表具師の家系で江戸初期より掛物の表具は勿論、茶道具である風炉先屏風・釜敷なども手がけ、さらには千家襖・障子・腰張などの建具も手がけておられます。

初代 奥村吉右衛門:一六一八(元和四)~一七〇〇(元禄十三)年

一六四六(正保三)年に京都へ移住して小川通上立売に居を定め母方の家職であった表具を業として近江屋吉兵衛と名乗っていました。

二代 奥村吉右衛門:一六四三(寛永二十)~一七一九(享保四)年

初代の長男。一六九八(元禄十一)年より表千家の出入りを許され、以後代々千家の職方となりました。表千家六代覚々斎のとりなしにより紀州徳川家の書画表具の御用も務めました。

三代 奥村吉右衛門:一六六八(寛文八)~一七四三(寛保三)年

二代の婿養子。休誠と号して書・狂歌にも長じました。

四代 奥村吉右衛門:一七三七(元文二)~一七八一(天明元)年

三代の婿養子。

五代 奥村吉右衛門:一七五五(宝暦五)~一八二五(文政八)年

三代の婿養子。

六代 奥村吉右衛門:一七八〇(安永九)~一八四八(嘉永元)年

四代の婿養子。天明の大火により焼失した家譜に代わるものとして「奥村家系図」を残し、表具の寸法・裂地・家元の行事を記した「千家御好表具井諸色寸法控(二巻)」をまとめました。

七代 奥村吉右衛門:一七九五(寛政七)~一八三七(天保八)年

六代の婿養子。

八代 奥村吉右衛門:一八〇四(文化元)~一八六七(慶応三)年

歴代中最も妙手といわれております。書にも秀でて儒学を岡本黄石に学び、漢詩人・梁川星厳と親交しました。

九代 奥村吉右衛門:一八四一(天保十二)~一九〇八(明治四十一)年

八代の子。明治半ば現在地に転居しました。京都市中京区亀屋町。

十代 奥村吉次郎:一八六九(明治二)~一九四四(昭和十九)年

九代の長男。明治・大正・昭和の三代に渡り家業を継承しました。

十一代 奥村吉右衛門:一九〇一(明治三十四)~一九八七(昭和六十二)年

十代の長男。太平洋戦争後の苦難の時代にあったが家業を次代につなぎました。

十二代 奥村吉右衛門:一九三四(昭和九)~

十一代の長男。一九八六(昭和六十一)年に十二代を襲名。「掛かりの良い表具。仕立ての良い表具」を理想として家業に励んでこられました。

 

十三代(当代) 奥村吉右衛門:一九七〇(昭和四十五)年~

大学中退後に父に師事して家業に入り二〇一六(平成二十八)年、十三代を襲名されました。

 

※参考資料「茶道具の名工・作家名鑑ー淡交社編集局編」(淡交社)  

 

 

当店では奥村吉兵衛の作品を買取りしております。

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