≪冬の銘ー年中行事≫
・神送り⇒神無月、神在月
旧暦十月は全国の神様が出雲大社へ集まる月で、出雲へ旅立つ神様を送る神事が各地で行われる。各地では十月を神無月というが、出雲地方だけは「神在月」となります。疫病神を追い払う意味やそのための儀式、まじないのこともいう。
・神の旅、神の留守
旧暦十月に各地の神様が出雲大社へ出かけること。留守の神社のこと。
・亥の子(いのこ)、玄猪(げんちょ)⇒亥の子餅
旧暦十月の初亥の日に猪の子をかたどった亥の子餅を食べて、猪の多産にあやかる祝い事。茶の湯の世界ではこの日に炉開きをすると火難をのがれるといわれています。
・七五三⇒髪置、袴着、着袴、帯解(かみおき、はかまぎ、ちゃっこ、おびとき)
三歳と五歳の男児、三歳と七歳の女児を連れ神社に参拝する風情。三歳児は白髪に見立てた綿を頭の上に置き長寿を祈る髪置、五歳男児は初めて袴を着ける袴着、着袴、七歳女児はきものの付紐を取り普通の帯を締める帯解の儀式が行われる。江戸期になり大吉日の十一月十五日の行事に固定された。
・鉢叩(はちたたき)
空也上人の念仏のことをいう。また空也念仏をして歩く半俗の僧をいう。十一月十三日の空也忌から大晦日まで僧が念仏を唱えながら鉦(かね:打楽器のようなもの)や鉢など叩き巡り歩く様。
・里神楽、神遊(さとかぐら、かみあそび)
旧暦十一月頃に全国の諸社で行われている神楽のことをいう。神遊びとは神楽の古称。
・顔見世(かおみせ)
京都南座にて十二月、東京では十一月恒例の歌舞伎興行のこと。
・事始(ことはじめ)⇒事納(ことおさめ)
正月の準備を始めること。一般には十二月八日、関西は十二月十三日。また、一年の農作業を始める日。旧暦二月八日を事始、十二月八日を事納とする地方が多く、まとめて「事の八日」とも呼ぶ。
・臘八、臘八接心(ろうはち、ろうはちせっしん)
臘月八日、十二月八日のこと。雪山で苦行をしていたお釈迦さまが悟りを開いた日といわています。禅宗寺院では十二月一日から八日の暁まで不眠不休の座禅修業が行われる。
・大晦、大晦日(おおつごもり、おおみそか)
一年最後の日。「つごもり」は月籠もり(月が隠れる)、「みそか」は三十日の意味で毎月最後の日をさし、その最後ということで「大」をつける。
・埋火(うずみび)
炉中や火鉢の火を長持ちさせ、絶やさないよう灰で覆い必要に応じ掻き立てる炭火のことをいう。茶の湯では十二月三十一日の除夜釜の炉中の火を埋火にし、元旦にその日を掻き立て釜湯を沸かし新年最初の一服を点てる。
次回は、茶の湯の銘ー季節のことば「冬ー動植物」
※参考文献「茶の湯の銘 季節のことば(淡交社)」
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お茶道具であればきちんと拝見、買取りさせていただきます。
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