茶の湯日記

学生時代の先輩との久々の再会

先日、土佐清水より大学時代サークルでお世話になった先輩がいらしてくださいました。10年ぶり位と久々の再会でした。

大学時代の当時とは違いそれぞれが環境もかわり、それについての話題が尽きませんでした。おうかがいしますと先輩はが好きで、過去に訪れたとある海を見て汚れていることに大変心を痛められたそうです。「なぜこんなにも汚れているのか」と原因を探っていかれると、それは山が管理されていないからという問題に行きつかれました。

いわゆる林業の衰退などが原因でした。この林業も我が国の伝統産業の一種で昨今メディアでもよく取り上げられて問題視されていました。先輩はこの状況を何とかしたいと奮起し本職と掛け持ちで林業の世界に飛び込まれました。今では厚労省委託の林業就業支援の地域アドバイザーにまでなられてました。

これは何も林業だけでなく、現代の日本において消滅・衰退の危機を迎えている伝統は沢山あると思います。私の商売につながる茶道・茶の湯の世界もその一部にあたると思っております。ご遺族の中での後継者がいない等の問題で買取り処分が増えていることや、若者の茶道離れなど数々の問題があると思います。私自身そのことが悲しく良き伝統文化を残したいということを目標に、お茶道具の買取り、販売は勿論のこと、気軽に茶の湯を楽しんでいただける「茶の湯喫茶」を設けた次第でございます。「茶の湯と人とのかけ橋を」と、店内のお道具に手を触れていただき体験コースや、手作り和菓子とお抹茶を楽しんでいただける空間造りをしております。少しでも興味があられる方への茶の湯への入口にしていただければ幸いにございます。

先輩も親族に陶芸作家がおられ、そこから焼物に興味が湧き、茶の湯の世界にも興味を抱くようになったとお聞きしました。中でもお好きな焼物は「萩焼」ということで、この日は十四代坂倉新兵衛萩茶碗「黄鳥(こうちょう:こうらいうぐいすのこと、また、広くうぐいすをさす)」でおもてなしさせていただきました。早く春のような平穏でのどかな日々がおとずれることを願います。

このように林業、茶の湯文化以外にも見直していかなければならないものは沢山あると思います。ひょっとするとこの状況をCOVID-19は何か教えてくれているのかもしれません。こんな状況だからこそ現状を見直し何かできることへ挑戦することは大変重要だと思います。明るい未来が来ることを信じております。

店主:澤田 知明

 

 

 

今では使わなくなったお茶道具を
丁寧に拝見しきちんと買取り
橋渡ししてまいります。

 

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