茶の湯日記

茶の湯の銘ー季節のことば「夏全般」

茶の湯の「夏」は茶室の炉を閉じて、風炉をしつらえる「初風炉」の五月から始まります。若葉青葉のさわやかな時期や長引く梅雨のうっとしい時期、涼でしのぎたい酷暑の時期と月ごとに多様な季節とされています。

夏:五月一日から七月三十一日

≪夏の銘ー夏全般≫

・八十八夜(はちじゅうはちや)⇒八十八夜の別れ霜(はちじゅうはちやのわかれじも)

立春(二月四日頃)から数えて八十八日目、新暦の五月二、三日をさす。八十八夜の別れ霜とはこの日を過ぎると田畑に霜が降りなくなるので、農家は種まきや田植え、茶摘みを始めます。宇治茶の茶摘みは五月十日頃から始まります。

・半夏(はんげ)、半夏生(はんげしょう)⇒半夏雨(はんげあめ)

七十二候(しちじゅうにこう:古代中国で考案された季節を表す方式のひとつ。 二十四節気をさらに約五日ずつの三つに分けた期間のこと)の一つ。夏至から十一日目で、新暦の七月二日頃をさす。この日に降る雨を「半夏生」と呼び、大雨が続くといわれていたようです。半夏は漢方薬になるカラスビシャク(サトイモ科の植物の一種、開花期は初夏五月から夏八月で雌雄同株)の別名でもあります。

・涼一味(りょういちみ)、涼涼、涼々(りょうりょう)

夏の暑さの中五官で感じる涼気とその表現のこと。『南方録』が教える利休のことば「なつはいかにもすずしきように、ふゆはいかにもあたたかなるように」の通り茶席では涼一味の心遣いと演出が眼目となります。

・秋の隣、秋隣(あきどなり)

夏の暑さもひと段落、秋のおとずれが近くなってきた頃のことば。

 

次回は、茶の湯の銘ー季節のことば「夏の天候・気象

※参考文献「茶の湯の銘 季節のことば(淡交社)」

 

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