≪夏の銘ー暮らし≫
・打水、三露(うちみず。さんろ)
門前や路地、庭などに水をまくことをいう。三露は茶の湯の言葉で、茶事においては季節に関係なくお客の席入り前、休憩(中立)の時、退出時に路地に水を打ちます。
・縁涼み、夕涼み、門涼み、端居(えんすずみ、ゆうすずみ、かどすずみ、はしい)
夏の日の夕方に門先や縁側などに腰をかけ、団扇片手に涼をとる様子。
・涼み舟
夏に川、湖、海などへ舟をこぎだして舟上で涼風に吹かれる様。
・楫枕(かじまくら)
楫は船の舵(かじ)のこと。それを枕にして寝る様。転じて船旅をさすことも。
・白重(しろがさね、しらがさね)
旧暦の四月一日が衣更(ころもがえ)と定められていた時代に、肌寒い日には下に小袖を重ね着をしたことに由来する。
・衣紋竹、衣紋掛、衣紋竿(えもんだけ、えもんかけ、えもんざお)
衣服、きものを掛けておく竹製の道具。汗ばんだ衣類を掛けることから夏の季語とされる。
・甘酒、一夜酒(あまざけ、ひとよざけ)
もち米のかゆに麹を混ぜて一晩発酵させた甘い飲み物で、熱いものを飲んで暑気払いをする意味から夏の季語とされる。
・夏館、夏座敷(なつやかた、なつざしき)
座敷の建具を葦(よし)の障子つまり葦戸に替え、簾を掛け夏らしい設えにした屋敷のこと。
・青簾、玉簾(あおすだれ、たますだれ)
細く割った青竹で編んだ簾。夏になると室内の風通しと日よけのために簾を掛けます。玉簾は簾の美称。
・蚊遣、蚊遣香(かやり、かやりこう)
蚊を追い払うためのもの。蚊取り線香。
・土用干、曝書(どようぼし、ばくしょ)
夏の土用に蔵の品を出して風にあてる様をいう。書画の場合には曝書という。
・浜土産(はまづど)
海水浴な海浜の旅から持ち帰った土産のことをさす。
・氷室(ひむろ)
冬に切り出した氷を夏まで貯蔵しておいた山蔭(やまかげ)の洞(ほら)や室(むろ)のことをいう。
次回は、茶の湯の銘ー季節のことば「夏の年中行事」
※参考文献「茶の湯の銘 季節のことば(淡交社)」
当店では新旧・書付ものからお稽古もの問わず
お茶道具であればきちんと拝見、買取りさせていただきます。
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