≪冬の銘ー動植物≫
・寒紅梅(かんこうばい)冬の梅
寒中に紅色八重の花を咲かせる梅。何れも菓子の銘になっている。
・寒松(かんしょう)
冬の松。厳寒にも緑を失わない松、樹齢も長く長寿のシンボルとされています。※厳寒の三友ー松・竹・梅
・冬薔薇(ふゆばら)
秋の終わりにつぼみをつけた薔薇の残り花のこと。
・霜の菊、霜菊、寒菊(しものきく、しもぎく、かんぎく)
冬になって咲く菊の総称。花も葉も小さめであるのが特徴。
・臘梅、唐梅(ろうばい、からうめ)
臘月(十二月)頃に黄色い花をつける中国産の落葉低木。梅とは別種になる。
・枯蘆(かれあし)
冬枯れした蘆のこと。
・枯尾花、枯薄(かれおばな、かれすすき)
尾花は薄・芒(どちらもススキと読む)の異称。晩秋になり枯れつくした哀愁を誘うことば。
・返り咲き、返り花、忘れ花
初冬の頃、桜、桃、梨、山吹、躑躅(つつじ)など春の花が咲く現象のことをいう。一度衰えたものが再び栄えること、もとの地位に復することの意味。
・室咲、室の花(むろざき、むろのはな)
温室栽培にて本来の時期より早く咲かせた春の草木のこと。
・勇魚(いさな)
鯨(くじら)のこと。冬に日本近海にやってくる。
・千鳥(ちどり)⇒群千鳥(むらちどり)、友千鳥、浦千鳥
千鳥科の鳥の総称。日本に秋に渡って越冬する冬鳥を詠んだ名歌が多いため冬の風物になっている。
・鴛鴦(おしどり、えんおう)⇒思羽、銀杏羽(おもいば、いちょうば)
おしどりは日本で繁殖する鴨科の水鳥。美しい雄の銀杏のような羽を思羽、銀杏羽と呼ぶ。
・都鳥(みやこどり)⇒隅田川
ユリカモメの美称。日本へは秋に渡ってくる冬鳥で、くちばしと脚が赤く美しい。
・冬鶯(ふゆうぐいす)⇒笹鳴、笹子(ささなき、ささこ)
冬に山からおりてきた鶯が舌打ちするように鳴くことを笹鳴と表現する。その鳴く鶯を笹子と呼ぶ。
次回は、茶の湯の銘ー季節のことば「新年ー全般」
※参考文献「茶の湯の銘 季節のことば(淡交社)」
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