二月四日頃は「立春」。二月は春といういうには寒すぎますが暦上では春の始まりとなります。万物に命がよみがえり、梅と桜と新芽に彩られながら様々な春のことばが選ばれます。
春:二月四日から四月三十日
≪春の銘ー全般≫
・一花(いっか)
一輪の花が天下に春の訪れを知らせる。ただ一輪の花の中に大自然の生命や真理がそのまま凝縮されている。「一花開天下春(一花開きて天下春なり)」
・青陽・正陽(せいよう)
五行説で春は「青色」になることから春の太陽や陽光のことをいう。旧暦四月の異称。
・竹の秋、竹秋(ちくしゅう)
竹の葉は春に黄葉することからいわれる。旧暦三月の異称。
・啓蟄(けいちつ)
二十四節気の一つで三月六日頃。土の中で冬ごもりしていた虫たちが冬眠から目覚めて動き出す意味。
・清和、清和月(せいわ、せいわづき)
空が晴れて清らかで穏やかなこと。そのような季節。世の中が平和に治まっていること。旧暦四月を清和月とも呼ぶ。
・佐保姫(さおひめ・さほひめ)
春の女神のこと。春は五行説では東にあり、平城京の東にある佐保山・佐保川から名前がつけられた。
・春信(しゅんしん)
春の気配を探り、春が近いことを知らせる便りのこと。
・春暁(春暁)、春の曙
春の夜明けのことをいう。
・春宵、春の宵、春夕(しゅんしょう、はるのよい、しゅんゆう)
春の日が暮れてまだ間もない頃をいう。宵は日暮れから夜の間、夕は日暮れをさす。
・惜春(せきしゅん)、惜しむ春
爛漫(らんまん)の春がすぎていくことを惜しむ心情をいう。青春時代を懐かしむ意味も。
・春の泊(はるのとまり)
刻々と春が過ぎていくこと。
次回は、茶の湯の銘ー季節のことば「春ー天候・気象」
※参考文献「茶の湯の銘 季節のことば(淡交社)」
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