≪冬の銘ー天候・気象≫
・愛日(あいじつ)
冬の日光の異称。時間を惜しむこと。また僅かな暇を惜しんで孝行すること。
・小春、小春日和、小六月(ころくがつ)
冬であるのに春のような暖かな日のこと。
・三寒四温(さんかんしおん)
寒暖が交互に来る様をいう。三日寒い日が続けば、その後四日間は暖かい日が続き、また寒くなるという七日周期の冬の気温変化をいう。
・神渡し(かみわたし)
旧暦十月に吹く西風のこと。「全国の神様を出雲大社へ送る風」の意味がある。
・時雨⇒里時雨、村時雨、初時雨、片時雨、小夜時雨(さよしぐれ)
初冬の頃に晴れていたのに急に雨が降り出し間もなく止む雨のこと。片時雨は一か所だけ降り、小夜時雨は夜に降るなど時雨を付けて表す言葉は多いようです。
・霜の花(しものはな)
花、葉、地表に降りた霜の美しさを花にたとえた表現。
・霜の声(しものこえ)
霜の降りる音が聞こえるように冴えわたった寒い夜の気配のことを表現している。
・籬の霜(まがきのしも)
竹や柴などで粗く編んだ垣根に絡まる蔦(つた)や葛(くず)などが秋の末に、草木の枝先や葉先が枯れ(末枯れ:うらがれ)、そこに霜があつく降りている晩秋の侘びた風情をいう。
・玉の塵、玉塵(たまのちり、ぎょくじん)、六の花、六花(むつのはな、りっか)
雪の異称。雪を美しい塵と見立てたもの。六花は雪の結晶の形からついた。
・友待雪(ともまちゆき、ともまつゆき)
次の雪が降るまで消えずに残っている雪のこという。
・風花(かざはな)
晴天の日に風にのってチラつく雪のことをいう。
・雪の下折れ(ゆきのしたおれ)
木の枝が雪が降り積もった重さで折れること。
・雪催い(ゆきもよい)
今にも雪が降ってきてそうなどんより暗い空のようす。
・雪しまき(ゆきしまき)
雪交じりの風が激しく吹くこと。しまけのみでも同意。
・銀竹(ぎんちく)、垂氷(たれひ)
屋根の軒や岩、木の枝などからしたたり落ちる水が凍ってできる氷柱のこと。
・冬の雷、寒雷(ふゆのらい、かんらい)
冬になる雷のこと。
・寒月(かんげつ)
冴えわたる冬の空に皓皓(こうこう)と輝く月のこと。
次回は、茶の湯の銘ー季節のことば「冬ー海川・山里の風景」
※参考文献「茶の湯の銘 季節のことば(淡交社)」
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