≪春の銘ー年中行事≫
・鬼やらい、追儺(ついな)⇒福豆(冬の季語)
節分の夜に寺社で行われる「追儺」の儀式は、厄災(やくさい)を鬼に見立て、追い払い新しい春を迎えるという意味があります。一般家庭では豆まきがそれにあたる。
・初午(はつうま)
二月の最初の午の日に行われる全国の稲荷神社の祭礼。
・雛祭、雛流
三月三日、あるいは旧暦を尊重し四月三日に行われる女児の祝い。
・曲水(きょくすい)、曲水の宴(えん)
朝廷で上巳(じょうし)の日に行われた庭園の曲折した小川のほとりに座り、上流から流された盃が自分の前に来るまでに歌を詠み、その盃で酒を飲むという風雅な遊びのこと。
・お水取り、お松明(たいまつ)、修二会(しゅにえ)
奈良の東大寺二月堂で毎年二月に修する法会の行の一部。三月十二日の深夜に若狭井という井戸からご本尊十一面観音に供える「お香水(おこうずい)」を汲み上げる(お水取)。この行を勤める練行衆(れんぎょうしゅう)の道を照らすために大きな松明に火をともす(お松明)。糊こぼし、良弁椿(ろうべんつばき)は本尊に供える赤と白の和紙で作られた紅椿の模造品もこの時期の和菓子の銘になっている。
・遍路⇒遍路笠、遍路杖
三月から五月上旬にかけ、四国霊場八十八箇所を礼拝する。白装束、編み笠姿に金剛杖をついて歩く。
・開帳
社寺が厨子(ずし)の扉を開いて秘仏秘宝を公開する。その多くが三月、四月頃に行われる。
・涅槃会(ねはんえ)
旧暦二月十五日のお釈迦様の入滅の日。現在は三月十五日に法要が行われる。
・彼岸会、彼岸入、お中日(おちゅうにち)、彼岸明
三月二十一日頃の春分を中日として前後三日(七日間)を彼岸、先祖供養のため寺に詣でたり墓参りをする。
・灌仏会(かんぶつえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、花祭⇒花御堂(はなみどう)
旧暦四月八日(現在は新暦四月八日に)、お釈迦様の誕生日を祝い諸寺で時節の花で屋根を葺いた花御堂を作り、中に誕生仏の像を水盤の上に安置し、頭上より参詣人が甘茶(あまちゃ)をかける法会。
・甘茶(あまちゃ)
アマチャ・アマチャヅルの葉を蒸してもみ、乾燥したものを煎じた飲料。名の通り甘味が強い。お釈迦様の誕生の時に天の、八大龍王が降らせた甘露にちなんでいる。それを再現しているのが上記の灌仏会です。
・花供養
四月八日の灌仏会にて花御堂を作りお釈迦様の誕生を祝い、仏に供養すること。桜の花を祭る行事。
次回は、茶の湯の銘ー季節のことば「春ー動植物」
※参考文献「茶の湯の銘 季節のことば(淡交社)」
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