茶の湯日記

茶の湯の銘ー季節のことば「夏-動植物」

≪夏の銘ー動植物≫

・余花(よか)

春の時期に遅れて咲く花のこと。

四葩の花、紫陽花(よひらのはな、あじさい)

花弁(萼:がく)が四枚あるとこからきたアジサイの異称を四葩の花という。他に七変化、七色花とも呼ばれる。

今日の手作り和菓子ー「紫陽花手毬・額紫陽花」、練りきり製

《販売》中出松峰作 -白塗紫陽花蒔絵中棗-

・躑躅(つつじ)

濃い紫、桃色、紅色、白などに染めるツツジ科の常緑低木の総称。

・あやめ、あやめ草、菖蒲(しょうぶ)

あやめ、あやめ草とは菖蒲の古称。

五月の手作り和菓子ー菖蒲、岩根つつじ他 ー 練りきり製

・杜若、燕子花⇒八橋(かきつばた⇒やつはし)

初夏の頃に濃い紫の美しい花を開くアヤメ科の植物。燕子花とは花の姿が燕(つばめ)の飛ぶ姿を思わせることから。

・みなれ草

見に浸かって馴れた水草や藻をいう。

・牡丹(ぼたん)

中国産の落葉低木。四、五月の春牡丹、二季咲きの寒牡丹、春牡丹の開花期を早めた冬牡丹などがある。別称として、富貴草(ふうきぐさ)、富貴花(ふうきばな)、百花王(ひゃっかおう)、二十日草(はつかぐさ)、深見草(ふかみぐさ)、名取草(なとりぐさ)などがある。

・優曇華(うどんげ)

①クサカゲロウという昆虫の卵。②梵語のウドンバラ(奇瑞:きずい⇒めでたい事の前兆として現れた、不思議な現象。)の音訳。仏教で三千年に一度花を開くと同時に聖王(せいおう:徳があり立派な政治を行う王・君主を意味する。)が現れる想像上の植物のこと。また極めて稀なことのたとえ。③ヒマラヤ山脈、ミャンマー、スリランカなどに産するクワ科の高木のこと。

・苔の花(こけのはな)

梅雨の時期の苔には、淡い紫や白のの胞子嚢(ほうしのう:胞子が入った袋のこと)ができ、これが花が咲いたように見えることから。

・青楓、若楓(あおかえで、わかかえで)

楓の若葉のこと。

・青梅(あおうめ)

若葉が繁る中に未熟で堅くしまった青い梅の実のこと。

・青柿(あおがき)

未熟な柿。

・青柚、青柚子(あおゆ、あおゆず)

まだ青く堅いゆずの果実。

・河鹿(かじか)

山深い渓流に生息するカエルの一種。鳴き声が鹿に似ていることから。

・空蝉(うつせみ)

蝉の抜け殻のことをいう。

・蛍⇒蛍火、蛍籠、蛍狩、蛍舟

昆虫。夏虫の異称をもつ。

今日の手作り和菓子ー「蛍・宵蛍」、練りきり製

・落し文(おとしぶみ)

昆虫。ナラ、クヌギ、クリなどの木の葉を巻き、その中に卵を産み、地面へ落とす。これを見立てて、口にしにくい事を手紙にし人目の付くところに落としておくことを落し文という。

・翡翠(かわせみ)

水辺の宝石ともいわれる美しいヒスイ科の鳥のこと。

・通し鴨(とおしがも)

秋に北方から日本へ渡来し春に帰る小型の鴨。その中で池や沼に巣を作り子育てのため夏になっても旅立たない鴨のことをいう。

・呼子鳥(よぶこどり)

①野山や森、里でさえずる多くの小鳥たちの総称。②人を呼ぶように鳴くカッコウ科のカッコウやツツドリのこと。

・郭公、閑古鳥(かっこう、かんこどり)

初夏に南方より渡来し秋に帰るカッコウ科の鳥。閑古鳥、呼子鳥。客足が少ないことを、鳴き声がものさびしいことから「閑古鳥が鳴く」と表現する。

・時鳥、杜鵑、不如帰、子規(ほととぎす)

初夏に渡ってきて、晩秋に帰る鳥の一種。他にも田長鳥(たおさどり)、妹背鳥(いもせどり)、沓手鳥(くつてどり)、卯月鳥(うづきどり)などの異称も。

・鹿の子(かのこ)

四月中旬~六月中旬にかけて鹿の子が生まれる。

・袋角(ふくろづの)

雄鹿の新しく生えてきた角をさす。

 

次回は、茶の湯の銘ー季節のことば「秋全般」

※参考文献「茶の湯の銘 季節のことば(淡交社)」

 

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